SDGsへの取り組み

非鉄金属の
新しい価値が
未来をつなぐ

脱炭素化と循環型社会の
構築を通して
持続可能な経済社会の
実現に貢献します。

受け継がれるDNA

共存共栄

1905年の創業当時、製錬で発生する亜硫酸ガスの回収技術がまだ確立されていない時代、工場周囲では森林・農作物への煙害が広がっていました。そこで創業者の久原は、地域住民への補償を行うとともに、排煙を広域拡散させる大煙突を建設。 巨額の資本と人員を投じて煙害を激減させます。(大煙突:当時世界一の高さ155.7メートル)
こうした地域社会とともに発展を目指す久原の姿勢は、現在も受け継がれるJX金属グループのDNAとなっています。

地域コミュニティとの共存共栄

当社グループでは、休廃止鉱山の環境保全活動に積極的に取り組んでいます。坑廃水の無害化水質処理など自然環境の維持・回復を図る他、植林や下刈作業など森林整備活動にも力を入れています。
共存共栄の精神のもと、地域との共生を変わらない基本方針として、これからも活動を続けていきます。

未来社会を支える先端素材を提供

当社グループが提供する銅を中心とした非鉄金属や先端素材は、再生エネルギーやEV、通信インフラなど脱炭素化や情報化社会を支える先端技術にも広く使われ、社会の発展を根底から支える資源となっています。

先端素材へのニーズは急速に拡大

脱炭素化への流れに加え、主要国でのEV普及促進や世界的な半導体不足、新型コロナの影響による通信インフラ需要の増加など、先端素材へのニーズが急拡大しています。当社グループでは増えるニーズに応えるため、安定供給体制の構築に取り組んでいます。

VISION

循環型社会へ

当社グループは、資源開発からリサイクルに至るまで一貫したバリューチェーンを持ち、循環型社会の実現を目指した事業展開を続けてきました。非鉄金属への需要が急拡大する中、資源の枯渇リスクは重要な社会課題となり、資源循環の重要性はますます高くなっています。
非鉄金属のリーディングカンパニーとして循環型社会への貢献を重点項目に掲げ、社会全体の持続的な発展のもと、自社の成長ビジョンを描いています。

リチウムイオン電池(LiB)をリサイクル

EV用LiBからの
高純度金属塩の回収プロセスを確立

EVの普及はEV用LiBの増加と廃棄の増加につながり、同時に LiBの原料であるニッケル、コバルト、リチウムなどレアメタルのひっ迫につながると懸念されています。当社グループではこの課題にいち早く着手し、これまで培ってきた湿式製錬技術を基に、LiBから高純度金属塩を回収するプロセスを確立しました。 更に車載用LiBから資源回収し、再びLiB 原料として使用する「クローズドループ・リサイクル」の実現を目指して技術開発体制を整えています。

更なる技術革新を目指して挑戦中

車載用LiBリサイクルの早期事業化を目的とした実証試験を行うとともに、材料開発、リサイクル材の品質向上、サプライチェーン全体も含めた総合的な取り組みを進めています。

サステナブルな
銅の未来像を描く

Sustainable Copper Vision

銅はカーボンニュートラルの実現に不可欠な脱炭素資源です。
「拡大する需要を支える安定供給体制の構築」と「ESG(脱炭素化や資源循環)を重視した生産と供給」の2つの使命を果たすため銅の理想的な未来像を描き、その実現に取り組んでいます。

銅の必要量 4倍

電気を
作る時

銅の必要量 4倍

石炭・ガスなどの
化石燃料から風力・太陽光
などの再エネ電源へ

MW当たりの発電容量に対し
再エネは化石燃料より約4倍の銅を使用

  • 化石燃料:〜1トン/MW
  • 再エネ:〜4トン/MW
銅の必要量 2倍

電気を
送る時

銅の必要量 2倍

集約型から分散型の
送配電システムへ

従来型の供給網に比べ
再エネによる分散型供給網は約2倍の銅を使用

  • 集権型:〜10トン/km
  • 分散型:〜20トン/km
銅の必要量 4倍

電気を
使う時

銅の必要量 4倍

内燃機関をエネルギー源の
車両設計&サプライチェーン構築から
環境自動車(EV・FCV他)の
普及に伴うエネルギー源へ

EVは内燃機関車両に比べて約4倍の銅を搭載・使用

  • 内燃機関車:24kg/台
  • EV:94kg/台

地球規模の脱炭素化で
⾼まる銅と⾮鉄⾦属の
希少性

限りある資源の有効活⽤を追求

再⽣可能エネルギーやEVの普及など世界的な脱炭素化の流れに伴い、今後20年で銅をはじめとする⾮鉄⾦属は急速な需要拡⼤が⾒込まれています。当社グループでは、⻑年取り組んできた素材リサイクルの事業や技術開発にさらに注⼒すると共に、製造プロセスでの歩留まりの改善、最終製品である先端素材の耐久性・リユース性の向上など、資源やエネルギーの無駄を削減し、資源を使い捨てない循環型社会の構築に取り組んでいます。

鉱物需要の推移

出典:The Role of Critical Minerals in Clean Energy Transitions, IEA, 2021およびIHS Global Insights、MineSpansより

未来社会を
支える
グリーン
ハイブリッド製錬

銅の需要はますます伸びていく一方、供給はこれを下回る見通しとなっています。
そこでリサイクル原料を活用した「グリーンハイブリッド製錬」の高度化を進め、供給量の増強に取り組んでいます。製錬プロセスでの化石燃料がほぼ不要なため脱炭素化にも貢献できるグリーンな製錬です。今後更なるリサイクル原料比率の向上を目指し、グループ全体で挑戦を続けています。

  • 銅鉱石と
    リサイクル
    原料を使用

    リサイクル原料を活用することで、
    供給量の増強を図っています。

  • 製錬プロセス
    での脱炭素化を

    銅鉱石自らが発する熱を利用してリサイクル原料を溶解するため、化石燃料がほぼ不要です。

  • リサイクル
    原料比率
    50%へ

    2040年を目標に技術開発、原料集荷体制の構築等に取り組んでいます。

サステナブルカッパーの
進化と普及に向けた
4つの取り組み

当社グループが考える理想的な銅の未来像を実現するために今後も様々な取り組みを続けていきます。

1

CFPの削減

鉱石の採掘や輸送等の
バリューチェーンに関連するCFPの削減

  • 鉱山で使用する建機の電動化
  • 再エネ由来電力の利用
  • 輸送の効率化・最適化 等
2

リサイクル比率の向上

同製品のリサイクル原料比率を高める技術の開発と原料集荷大勢の強化

  • リサイクル原料処理にかかわる技術開発
  • リサイクル原料の増集荷に向けた設備能力の増強等
3

責任ある調達とその他施策の
推進

サステナブルソーシングを含めた
幅広いESG施策への取り組みと認証取得

  • 地球環境保全、人権、地域社会貢献等を配慮・促進する施策の推進
  • ICA(国際銅協会)の定めるESG基準を満たすCopper Mark等認証の取得推進
4

グリーン・イネーブリング・
パートナーシップの形成

サステナブルカッパーの進化と普及

  • サステナブルカッパーの普及に向けて協働いただける企業等とパートナーシップを形成し、脱炭素社会・循環社会への移行を加速
  • パートナーとの製品・スクラップ回収、原料再利用、協働技術開発の促進 等

Sustainability

JX金属の持続可能な社会の実現に向けた取り組みをご紹介します。